HEISEH_outlaw’s blog

俺のアウトローな人生。お前らの知らない世界を俺は知ってるぜ?

-中学編-逮捕への道

金もないのにタバコを吸う。

金がないからタバコも買えず、灰皿の中からしけもくを探す日々。

それも確かに楽しかったし、タバコを奪い合うためのゲームも考えたりして、楽しかった。

カゴダッシュもなかなか上手くいかなくなり、

金が必要になり始めた中2の俺らは、さらに犯罪を重ねるようになる。

 

気付けばすでに通行人を恐喝するようになっていた。

通りがかる人に因縁をつけて回る。

自分らからぶつかっていくくせに

「今ぶつかっただろお前」

「怪我しちゃったじゃねぇかどうすんだよ」

 

相手は普通のサラリーマンだ。

こっちは2.3人いる。

例え中学生が相手だとしても、勢いよくこられるとやはり怖いのか、素直に財布の中の金を渡す人が多かった。

中学生の俺らに諭吉が何人もいるのは、跳ね上がるほど嬉しいことだった。

その金を何に使ったかは、今となっちゃ全く記憶にないが。

 

ある日、少し遠出しようぜ。と自分らの学区を超え、地域を超え原付き2ケツ合計3台で出かけたことがあった。

その行き先で警察に追われ、原付を乗り捨てることにはなったが、なんとか逃げ切った。

逃げている最中、警察署の前を通過したんだが、そんときに出てきた、長い棒を持った警察にフルスイングされたことは今でも忘れない。

 

原付きを遠出先で失った俺らは、原付を現地で盗み、帰った。その出先でも当然の如く恐喝もした。

場所はスターバックスコーヒーの店内だ。

「あとで金返すから、貸してくれ」

知らない人にそんなこと言う俺らはどうかしてたが、あれは完全なる恐喝だと言うことは、相手もやかってたんだろう。

素直に金を

"貸してくれた"

未だに返してもいないし、誰かもわからないが。

 

そんな日々を繰り返していたある日、

普段通り恐喝しても全く金を出さないやつに遭遇した。

いくら脅しても金はださないの一点張りだ。

そこで引けば、恐喝(それでも十分犯罪だが)で済んだんだが、そうはいかなかった。

俺らは

「舐められている」

と思ったんだ。

その頃の俺らのプライドは

"舐められないこと"

でしかなかった。

 

その金を出さないやつを公園に連れて行き、リュック眼鏡ヤンキーがそいつの前歯を折ってしまった。

拳に歯が刺さっていた。

さすがの俺らも

"やってしまった"

ということくらい、すぐに分かった。

だけど中学生の俺らには変なプライドがある。

そんなことは微塵も見せず、恐喝を続け、金を奪い逃げた。

 

次の日も同じようなことになった。

手を出して金を取ることが、当たり前になってしまった瞬間だった。

 

原付を盗みまくっていた時点で、当然警察は動いていただろうが、この時ばかりは全力で動き始めたんだろう。

家を溜まり場にし、めちゃくちゃになっていた俺を

止めることも、どうすることもできなかった母親に恐る恐る、次の日言われた。

新聞に少年数人組の強盗事件がって書いてあるけど、まさかあんたじゃないでしょうね…。

って。

その通りだよ母ちゃん。って思ってたけど、俺は平然を装い、

「さすがにそんなことはしねぇよ」

って言い放った。

内心俺はすでにビビっていた。

警察が自分らを探している。

犯人探しに本気を出している。

数日、自分がどうなるのか心配でたまらなかった。

しばらく経ってもまだ何も起きない。

警察に事情聴取もされない。

 

喉元過ぎれば熱さ忘れる、とはこのこと。

日にちが経てば、自分らがしでかしたことは忘れていた。

 

ある日、ツレのリュック眼鏡ヤンキーから電話がはいった。朝の6時頃だったかな。

「家に警察がきた」

俺はそのときに思い出した。

あの時の件か?

今まで警察に世話になったことは、事情聴取と、調書の作成、夜の補導くらいしかなく、

逮捕という概念が俺らにはなかったから、

またすぐに戻ってくるだろ

なんて軽く考えていた。

 

けどその日からリュック眼鏡ヤンキーとは連絡がつかなくなり、次の日には携帯の電源が落ち繋がらなくなった。

どうなってしまったのか。

俺らはずっと心配していた。

 

『ピンポーン』

ある朝家のチャイムが鳴り目が覚めた。

俺は二度寝しようとして、目をつぶっていた。

「警察の人がきてるけど、あんたなんかしたの」

そんな母ちゃんの声に

二度寝しようとしていた俺は起こされた。

俺はさすがに悟っていた。

リュック眼鏡ヤンキーが帰ってこず、連絡がつかないことも知っていたから、俺もその件なんだなって。

それでも【逮捕】なんてことは、想像もしていなかった。

俺は家の扉の前で待っている警察5.6人を待たせ、タバコを2.3本吸った。

正直、気持ちは最悪だ。

どうなるかもわからない。

親にも心配もかけている。

どうしたらいいかわからないから、タバコを吸うしかなかった。

俺は覚悟を決め、家を出て私服の警察の前に姿を現した。

覆面パトカーに乗せられ、なぜか後部座席の真ん中に座らせられ、両側を私服警官に挟まれる形で座らせられた。

 

そこで見せられたのは

【逮捕状】だった。

初めての経験だった。

罪状、日付、時間、名前などが書いてある1枚の紙だった。

現実味は湧かなかった。

なにが起こってるかも、なにをこれからされ、どうなってしまうのか。

全く知識もなく、悪さばかりをしていた俺にはわからなかった。

 

「○月○日○時○分○○を逮捕する」

そう言われ、冷たい鉄が手首にかけられた。

【手錠】だった。

俺は心底焦っていた。

マンガとかでは見たことあるし、ニュースでも見たことはあるけど、本当に自分が手錠をかけられるなんて、考えてもいなかったからだ。

中学生だから大丈夫だろ。

そんな甘い考えもあったんだと思う。

頭は真っ白だった。

リュック眼鏡ヤンキーも、こんな風になったんだろうなって、俺だけじゃないんだって、仲間意識を持つことで自分を安心させていた。

 

そのまま連れて行かれた場所は、当然警察署だった。

手錠をされたまま、裏口から警察署にはいる。

逮捕された奴は表からは入れなくなっている。

全て裏口だ。

逃走防止のため。

 

そのまま取調室に連れて行かれ、

長い時間をかけ、すべてのことを聞かれていくことになる。

俺はこのままどうなるんだ。

なにを喋って、なにを黙っておいた方がいいんだろう。

色んなことを頭の中に想像しながら、取り調べが始まった。

 

「今から取り調べをする」

f:id:HEISEH_outlaw:20200926232323j:image

 

 

【初逮捕】へ続く